切れ痔、裂け痔とも呼ばれる裂肛は、歯状線よりも外側(皮膚側)の肛門上皮が、 かたい便の通過時にこすれて裂け、排便時に痛みや出血がともなう病気です。
この手術は、第三度の裂肛が慢性化し、肛門が狭くなり、内肛門括約筋も硬くなって、 潰瘍の治癒が見込めなくなったときに行います。 肛門の仙骨麻酔または局所麻酔を行い、肛門をじゅうぶんに広げておいてから、 メスを使って、肛門皮下の側方にある内括約筋の下方部を一部切り広げる方法です。

肛門が広がるため、手術後から排便がスムーズに行えます。 また、排便後の括約筋のけいれんもなくなるので、排便時の激しい痛みも解消し、大変楽になります。 一時的に肛門がゆるくなりますが、そのうち、ちょうどよい具合に回復してきます。

この手術の際に、肛門ポリープやイボをついでに取ることもよくあります。 比較的状態が軽い場合は日帰り手術ですむケースもありますが、一般には短期入院して行います。

<薬物塗ったり、注入したりする治療法>
裂肛は、内肛門括約筋が過度に緊張して起こる、という考えかたから、 裂肛の治療では内肛門括約筋の緊張をとるために切開する方法が行われていますが、 薬剤で括約筋の緊張がとれれば、同じ効果が期待できます。