痔瘻の応急手当
痔瘻はお尻の炎症が原因ですから、これをしずめるためには患部を冷やします。
うつぶせに寝て、お尻の上にタオルをおき、
その上に氷のうやアイスノンなどをのせてくるみ、熱をもった部位を冷やします。
間違っても温めないように注意してください。
<肛門周囲膿瘍と痔瘻の治療>
1.肛門周囲膿瘍の切開
肛門周囲膿瘍は、高熱が出て、局所も腫れて耐えがたい痛みがあるので、早く切開して
ウミを出すことが必要です。局所麻酔のもと、外来で行います。しかし、肛門周囲膿瘍のうちでも高位筋間膿瘍や座骨直腸窩膿瘍の場合は、入院して、腰椎麻酔をして切開手術をすることが必要なケースもあります。いったん切開すると症状は楽になります。しかし、これは一時的な処置で、再びウミがたまってくることがあるし、痔瘻へ進むことがあります。
2.痔瘻の切開
痔瘻が赤く腫れて痛みがあり、熱を持つことがあります。その場合、局所麻酔をかけて外来でウミを出します。しかし、一時的な処置で、再び切開が必要になることがあります。ただし、痔瘻のトンネルが浅い場合、切開をくり返しているうちに
自然に治ることもあります。
3.痔瘻のセトン法(輪ゴム痔瘻結紮法)
痔瘻のトンネルがまだ浅い場合、結紮を行うことがあります。輪ゴムで肛門内の痔瘻のトンネルの一次口と肛門の外の二次口を縛って、輪ゴムの収縮力を利用して、自然に切開し、ウミが出るようにします。やや
長期間の通院が必要です。
<病院で行う手術>
手術は主に、第三度、第四度の内痔核と裂肛潰瘍(第三度裂肛)、痔瘻に対して行われます。
内痔核については、第三度、第四度の内痔核で、保存治療をしても効果がなく、
いつも気になってイライラし、仕事や
社会生活に支障をきたすようになったときが手術の時期と思われます。
脱肛嵌頓でも、温めて安静にして、元の軽い脱肛状態に戻ったようなときは手術の必要はありません。
これらの手術は、ほとんどが入院して行うことになります。