すべての病気は、人間がもっている自分で治ろうとする力、それは自然治癒力が治します。
医師の治療や薬は、それを手助けするだけです。自然治癒力や自己の免疫力を高めることが、
痔を治すポイントです。
われわれ人間にとって病気とは、わたしたちの心身のどういう状態をいうのでしょうか。
また、健康とは、どういう心身の状態をいうのでしょうか。
健康な状態と医師の役割
1.健康とは
体の各臓器や組織の調和が保たれており、なおかつ心と体の調和が保たれている状態。
2.病気とは
調和を保っていた体の状態、または心身の調和が、なんらかの原因でこわれて不調和になった状態。
と考えます。
つまり、病気を治し、健康をとり戻すために医師に求めることは、
1.心身の調和が保たれている健康という状態が、病気という不調和の状態になってしまった原因をつきとめる。
2.病気になった原因を、医師と患者さんが直視しながらとり除く。
3.次に、患者さんが本来もっている、自分で治る力(自然治癒力)を最大限に引き出し、心身の調和をとり戻す。
4.最後に、患者さんの心身の調和(健康)が維持されるように、お手伝いをする。
の4つに要約されると思います。
<病気はなぜ治る?自然治癒力とは何か>
◆病気になった原因を探す
たとえば、常習性の便秘、過労、ストレス、毎日の過度の飲酒など、
すぐにわかる場合もあれば、原因がすぐに見つからない場合も多くあります。
◆患者さんがもっている治る力(自然治癒力)を最大限に高める
病気を治す主役は、その人がもつ自然治癒力です。
医師が行うさまざまな治療法は、そのお手伝いをしているにすぎません。
人それぞれに適した、そして病状に応じた治療法は異なることから、
その人にもっとも適した治療法をアドバイスすることが医師の仕事なのです。
つまり、その人の自然治癒力を最大限に引き出すために、医師は投薬をしたり、
手術をしたり、食事療法や運動療法、心理学的カウンセリング、
鍼灸、ヒーリング療法など、あらゆる治療法を検討し、実行するのです。
<自然治癒力を高める手段>
最近、欧米や日本で、心の状態によって免疫力が高まったり、
弱まったりすることを研究する学問である精神神経免疫学が盛んになっています。
多くの研究者の努力の結果、免疫力、いいかえれば自然治癒力を高める方法は、
次のとおりであることがわかりました。
◆よく寝る
睡眠時間を7〜8時間とっていれば、免疫力が高まります。
◆よい香りをかぐ
心地よい香りは、免疫力を高めます。
◆ヒーリング(癒やし)
肌をふれ合うことや、ヒーリングは免疫力を高めます。
◆腹から笑う
よく笑うと免疫力が高まります。
◆座禅や瞑想をする
座禅や瞑想をすると病気が治るといわれています。
大正中期より昭和30年代にかけて、日本の偉大な哲人といわれた中村天風氏。
医師でもあった中村氏は後年帰国し、患者さんたちにこう語ったと言われてます。
「生命(魂)は、美しく尊いものです。これをきたない想念で汚してはいけません。
病気になろうと、不運に見舞われようと、そんなことにとらわれずに、意識をもっと高いところにおきなさい。
そうすれば自然と体が病気を治し、思いのままの運が開けるものです。心に慈愛に満ちたよい想念を持ち、
いつも絶対積極的に生きなさい」
「病気と闘う」とは、ある意味で病気を認めていることになります。
病気と健康という相対の関係のなかに自分をおく、つまり、相対積極なのです。
中村天風氏は、病気と健康という相対論の土俵からそれにとらわれない高い位置に意識をおく、
すなわち病気を認めない境地、絶対積極の境地を説いているのです。
これこそ究極のプラス思考で、
自然治癒力を完全に引き出す心の状態であるといえるでしょう。