従来の結紮法では、痔核を切除したあとの患部を縫合しないで、そのままにしていました。 しかし、これでは傷口が治るのに時間がかかり、また細菌による炎症などが起きるおそれもありました。 そこで、手術時の皮膚の傷は残し、肛門の中の傷はすべて縫ってしまうという 「半閉鎖法」が行われるようになったのです。

また、縫うときに使用する糸も、術後6週間で自然にとけてしまうため、抜糸の必要はなく、手術のあとも残りません。 半閉鎖法は、結紮法に比べ、多少手術時間は長くなりますが、患部をていねいに縫合するために、 術後に肛門が狭くなることもなく、術後の患部の痛みや炎症や出血も少なくなります。


内痔核に対して、ほとんどの肛門科で行われている手術が、痔核結紮切除術という方法です。 内痔核は多くの場合、肛門管の歯状線より奥の、時計に見立てて3時、 7時、11時の部分の三箇所に位置する血管に3〜4個できます。

その3〜4個の痔核それぞれに対して、それらの血管流入部の根元を縛って(結紮して)、 痔核を切除します。その後、肛門粘膜を寄せ合わせて縫っておく半閉鎖法を行う場合と、 縫わないでそのままにしておく方法とがあります。