「痔」はポピュラーな病気ですが、正確にいうと、医学上は「痔」という病気はありません。
痔は、肛門のいろいろな病気の総称で、単独の病気をさしているわけではないからです。
痔を大別すると、「痔核」「裂肛」「痔瘻」の3つになります。
その中でも、裂肛は、肛門の外傷といってよい病気で、かたい便が肛門から出るときに
菌状線より外側の肛門上皮が切れて裂け、はげしく痛んだり出血したりする痔です。
また、切れ痔、裂け痔と呼ぶこともあります。
裂肛の種類
<単純性裂肛>
便秘になって、かたい便をいきんで出したり、慢性の下痢による炎症などが原因で肛門上皮が裂けたものです。
便秘の女性にみられる裂肛の大半が、このタイプです。
<慢性潰瘍性裂肛>
単純性裂肛をそのまま放置しておくと、何度も同じところが破れるので、裂け目が徐々に深くなり、
傷が内肛門括約筋にまで及ぶようになります。すると、裂肛のまわりに炎症が起こって炎症性の
ポリープができたり、裂け目に潰瘍ができたりして、肛門上皮が再生できなくなります。
【こんな症状だったら裂肛の疑い】
1.排便時にいきんだ拍子に肛門がピリッと痛む。
2.排便後もしつこく痛みが続く。