PPH法
イタリアのロンゴ博士によって開発された方法で、内痔核で直腸粘膜が
垂れ下がるタイプに有効です。
専用の器具を肛門から差し込み、垂れ下がった痔核のクッション
(痔核と混在した痔核周囲の組織)と直腸肛門粘膜を押し上げ、
痔核の上方の直腸を二センチほど切除して、縫合用ホチキスで留める方法です。
痔核の血流が遮断され、自然に痔核が消失します。もちろん、入院が必要です。
最近、わが国でもこの方法を積極的に行う病院がふえてきました。
ただし、すべての内痔核に適用になるわけではありません。
欠点は、術後10日ごろに大出血を起こすケースがあることです。
また、縫合した部分が硬くなり、運動機能が失われることや、
体内に残ったホチキスがその後どうなるかなど、不安な点もあります。
内痔核の手術法
内痔核に対して、ほとんどの肛門科で行われている手術が、
痔核結紮切除術という方法です。
内痔核は多くの場合、肛門管の歯状線より奥の、時計に見立てて3時、
7時、11時の部分の三箇所に位置する血管に3〜4個できます。
その3〜4個の痔核それぞれに対して、それらの血管流入部の根元を縛って(結紮して)、
痔核を切除します。その後、肛門粘膜を寄せ合わせて縫っておく半閉鎖法を行う場合と、
縫わないでそのままにしておく方法とがあります。