痔の最大の原因は便秘と下痢
痔になったり、痔を悪化させる危険因子は「
肛門の炎症」です。
そして肛門の炎症を起こす原因のなかで、もっとも痔を悪化させるものが「排便のコントロール異常」、
すなわち便通の異常(便秘と下痢)です。とくに便秘は、痔になる最大の原因です。
便は、もともと強いアルカリ性の老廃物なので、たとえば便を皮膚に塗っておくと赤くただれて炎症を起こしてしまいます。
このような強い刺激物である便が、長い間、人間の体の中に入っていれば、
健康に悪影響をもたらすことはいうまでもありません。
<かたい便をやわらかくする>
じつは、1日に腸に流れこむ水分の量は、唾液、胃液、胆汁、膵液、
腸液などの消化液だけでも合計すると
約10Lにもなります。
それに比べると口から入る水分の量はせいぜい2Lで、1日に5Lも飲める人はいません。
つまり便の中の水分の大部分は、消化液の水分なのです。
しかも、1日に12Lも流れこむ水分のほとんど大部分を、大腸は吸収してしまいます。
それは、腸が吸収できない水分を便の中にためればよいのです。
つまり、食物繊維のなかに含まれている水分を利用すればよいのです。
食物繊維を豊富に含む食品をたくさん食べれば、食物繊維のなかの水分は腸に吸収されにくいので、
便をやわらかくすることができます。