内痔核の場合には、排便が終わると出血は止まりますから、トイレを出たら、 おなかの下に座布団やクッションをあててお尻を高くし、横になって安静になります。 このときに脱脂綿を丸めて肛門にあてておくと、止血効果が高まり、さらに痛みが減ります。 また、トイレでいきまないで排便ができるように、便をやわらかくする食生活を心がけ、便秘を防ぐことも大切です。

<内痔核を改善する生活習慣>
内痔核の家庭療法の根本は、生活を規則正しくして、よい排便習慣を身につけ、 生活習慣の中で肛門の血流をよくして、少しでも痔核のうっ血を軽くし、 痔核の腫れを減少させることにあります。具体的にどのようなことか? 下記にまとめて説明しましょう。

<正しい排便習慣と便秘予防>
内痔核がある人が、生活習慣の中でもっとも気をつけなければならないのは、 正しい排便習慣を身につけることに限ります。 便秘は、排便時に激しくいきむことにつながり、 内痔核や脱肛を悪化させる原因になります。

便秘を改善するには、野菜や海藻など繊維成分が多い食物をじゅうぶんに摂取するようにしましょう。 また、水分をたっぷりとることは、手軽な便通促進法です。水を意識的に飲むようにしてください。 また、毎朝同じ時間に排便する習慣を身につけるようにしましょう。 朝食を食べると、胃・直腸反射が起こり、便意をもよおしますが、 このときに我慢をしてしまうと、便意が遠のいてしまいます。 これを毎朝くり返していると、便秘の原因になります。

朝食後の便意を我慢しないで、便意をもよおしたらただちにトイレに行き、排便するようにしてください。 そのためには、朝の時間に余裕を持たせるようにしなければなりません。 排便時には、あまり長く気張らないようにしてください。 うんうんと5分も10分も気張ると、肛門の内圧が上がりっぱなしになって、 内痔核のうっ血がひどくなり、痔核も悪化して、脱肛になりやすくなります。

<運動も大事>
運動不足も便秘のもとです。運動すると、腸の働きが活発になるので、 便秘をしにくくなります。適度なスポーツやウォーキングなどを定期的に行いましょう。 また、毎日の忙しい中でも努めて乗り物を使わず、歩くようにしたいものです。

腹筋運動や前述した肛門括約筋トレーニングも、便秘の改善に効果がある運動の一つです。 もちろん、入浴や座浴をたびたび行い、肛門を温めてうっ血を取り、 同時に肛門を清潔に保つことも、内痔核の家庭療法の基本の一つです。